39 巻 (1997) 4 号 p. 314-324
マウスにおける副交感神経作動薬pilocarpine誘導唾液分泌反応に及ぼすreserpineの影響について検討した。
1. Reserpine (0.1~10.0mg/kg) 投与30分後のpilocarpine誘導唾液分泌量や分泌時間は, reserpineの用量に依存して有意な増大を示した。一方, reserpine (1mg/kg) 投与12時間後のpilocarpine誘導唾液分泌反応は, 対照群に比較して有意な減少を示したが, reserpine投与7日後では対照群と同程度の値までに回復した。
2. Pilocarpine誘導唾液分泌反応において, reserpine (1mg/kg) 投与30分後の唾液分泌反応の増大は, 副交感神経遮断薬であるatropineで抑制されたが, 交感神経α-遮断薬であるphenoxybenzamineおよびβ-遮断薬であるpropranololでは抑制されなかった。
3. Reserpine投与30分後および12時間後のマウスの顎下腺および舌下腺内のACh含量は対照群との間に差異は認められなかった。これに対して, reserpine投与12時間後のマウスの顎下腺および舌下腺内のCh含量は有意な増大を示した。
4. Reserpine投与マウスにおいて, 摂餌量, 飲水量と体重は1日および2日後に減少が認められ, 7日後には対照群の値まで回復した。
以上のことから, reserpineを単回投与したマウスにおけるpilocarpine誘導唾液分泌反応は, reserpine投与30分後では用量依存的な増大を, reserpine投与12時間後では減少の時間依存的二相性変化を示すことが示唆される。さらに, pilocarpine誘導唾液分泌反応の増大は副交感神経遮断薬のatropineの用量に依存して抑制されることから, 副交感神経系の反応性が亢進していることが示唆される。