歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
ラット口蓋ヒダの形成過程における抗cytokeratin 18陽性細胞の分布に関する免疫組織化学的研究
高橋 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

40 巻 (1998) 5 号 p. 515-527

詳細
PDFをダウンロード (9477K) 発行機関連絡先
抄録

胎生期および生後初期におけるラットの口蓋ヒダの形成過程における抗ヒトcytokeratin 18 (CK18) 陽性細胞の分布について免疫組織化学および透過電顕により観察した。胎生17日の口蓋ヒダでは, ヒダ頂部の上皮細胞のほとんどすべてが抗CK18陽性を示した。これらの細胞は紡錘形を示す細胞から成り, 発生の進行にともなって大きさが増すとともに, その数が急速に減少し, 出生直前までには大小の集塊として認められるようになった。これらの細胞集塊は生後14日まで口蓋ヒダ頂部上皮に少数残存した。電顕的に観察した結果, これらの口蓋ヒダ頂部の細胞塊では, 大半の細胞が味蕾の構成細胞に類似した微細構造を示した。一方, 口蓋ヒダの側壁部に位置する上皮稜には, 生後4日以降から, 頂部に認められたものよりも小型で長楕円形を呈する孤立性の抗CK18陽性細胞が新たに出現した。この細胞は生後日数の経過とともに著しく数を増加した。透過電顕観察により, これらの細胞は直径120nmの有心小胞を多く含み, 指状の細胞質突起を有するほか, 神経終末と接合しているものもあったことから, メルケル細胞と同定された。以上の結果より, ラット口蓋ヒダの頂部には, 胎生期から生後にかけて味蕾様構造が存在すること, および, 口蓋ヒダにおけるメルケル細胞は生後に発生を開始することが推測された。

著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top