日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
一般講演
小児重症筋無力症における眼科所見の特徴
佐々木 優子小林 順子神部 友香浜野 晋一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 45 巻 p. 167-172

詳細
抄録

【目的】小児重症筋無力症(以下 小児MG)における眼科所見の特徴について報告する。

【対象及び方法】対象は2010~2014年に埼玉県立小児医療センター眼科、神経科を受診し、小児MGと診断され治療を受けた15例(男児6例、女児9例)である。発症年齢は11か月~13歳11か月(平均年齢5歳7か月)であった。方法は、診療録より発症年齢、病型分類、初回受診医療機関、初発症状、主訴、眼科受診時所見(眼瞼下垂、眼位、眼球運動)、弱視発症例について検討した。

【結果】15例中10例の発症年齢は5歳未満であった。病型は眼筋型11例、全身型4例であった。

10例は初発時に眼科を受診していた。主訴、初発症状ともに眼瞼下垂が最多であった。初診時、眼瞼下垂は全症例、斜視は9例に認め、うち6例が外斜視であった。眼球運動障害は12例に認めた。弱視は3例に認め、小児MGが原因の弱視2例、屈折異常弱視1例であった。弱視治療は健眼遮蔽と眼鏡装用を行った。

【結論】小児MGにおける機能弱視は、早期発見により治療可能であった。初発症状には多様な眼症状が複数重複することがあり、眼科受診時の問診と保護者の観察が重要と考えられた。

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本視能訓練士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top