【目的】障害児の見え方を把握することは学習やADL向上に不可欠である。今回、特別支援学校における視力測定の実施状況を調査する。
【方法】2014年香川県特別支援学校9校の養護教諭に視力検査についてアンケート調査を実施した。アンケート調査の依頼と回収は電子メールで行い、その結果を検討した。
【結果】香川県特別支援学校児童生徒数1,140名のうち、228名(20%)がランドルト環・絵視力表が測定困難であった。そのうち障害別支援学校の内訳は、視覚障害10%、聴覚障害20%、肢体不自由63%、知的障害3~18%,病弱30%であった。視能訓練士が7年前から障害児の視機能評価を紹介してきた重度重複障害児の割合が多い肢体不自由特別支援学校では縞視力表等を導入し37%の児童に実施していた。全校で事前練習や集中できる環境づくりへの配慮が行われていた。アンケート実施後、養護教諭へ臨床での発達年齢に合わせた障害児の視機能評価の実施方法と重度重複障害児の視反応の定性的評価法を紹介し、試行された。
【結論】アンケート調査は特別支援学校養護教諭が障害児の視力測定法の問題意識を喚起し、共通した測定方法を構築する一助となった。多様な評価法を導入し可能となった視力検査結果は、保護者の眼科受診のきっかけとなり障害児の視機能管理及び家庭、学校でのADL向上に寄与すると思われる。