2016 年 45 巻 p. 265-269
【目的】正常眼軸長眼と長眼軸長眼で術翌日のトーリック眼内レンズ(以下、 T-IOL)の軸ずれに差があるか検討した。
【対象および方法】2013年1月から2015年6月までにAcrySof®IQToric SN6AT3-9を挿入した22.00mm以上24.50mm未満の正常眼軸長群35症例56眼(平均±標準偏差、74.7±5.5歳、以下同様)と24.50mm以上の長眼軸長群13例19眼(71.1±10.0歳)。術翌日に術眼を散瞳し、T-IOLの軸角度と挿入予定軸角度とのずれを比較した。また術前と術後1週間の裸眼・矯正視力、自覚的・他覚的球面度数、自覚的・他覚的円柱度数を比較した。
【結果】術翌日の軸ずれは長眼軸長群が3.47±2.06°、正常眼軸長群が3.86±3.04°で有意差は無かった(p=0.55)。 術後の裸眼・矯正視力、自覚的・他覚的球面度数、自覚的・他覚的円柱度数に眼軸長による差はなかった。
【結論】長眼軸長群と正常眼軸長群で術後のT-IOLの軸ずれ及び術後成績に差は無かった。