2017 年 46 巻 p. 275-280
【目的】Humphrey field analyzer Ⅲ860(HFA)における乱視補正法の違いによる結果の比較検討。
【対象と方法】正常者17例17眼に対し球面または乱視用コンタクトレンズ(CL)装用にて乱視2D以下と2.25D以上の2通りの疑似乱視眼を作成し、各眼Liquid Trial Lens(LTL™)による等価球面補正と従来の円柱レンズ補正(従来法)にて中心30-2 SITA Standardを測定し、平均偏差(mean deviation; MD)、パターン標準偏差(pattern standard deviation; PSD)、中心窩閾値、測定時間の平均を比較検討した。
【結果】乱視2D以下群ではすべての検討項目においてLTL™と従来法に有意差はなかったが(n.s.)、2.25D以上ではLTL™でのMDが従来法より有意に低かった(P<0.01)。
【結論】LTL™は従来法に比べ乱視が強いほどMDが低くなる傾向があり、2Dを超える乱視には従来法による屈折補正が推奨される。