2018 年 47 巻 p. 81-89
【目的】普通自動車運転免許(以下普通免許)保有者に視力検査とアンケートを実施し、運転時の視力、運転をする理由等の実態を調査した。
【対象及び方法】普通免許を保有する20歳以上の399名を対象に、視力検査と自動車運転に関連するアンケート調査を実施。対象者の眼鏡の使用有無により、眼鏡使用者は眼鏡下での両眼視力を、未使用者は裸眼での両眼視力を「運転視力」とし、運転視力0.7以上をA群、運転視力0.7未満かつ矯正視力0.7以上をB群、運転視力0.7未満かつ矯正視力0.7未満をC群、眼鏡持参せずで検査結果が揃わなかった患者を不明とし、各群を分析した。
【結果】平均年齢66±12歳。A群は330名82.7%、B群は24名6.0%、C群は11名2.8%、不明34名8.5%、354名88.7%が普通免許の基準を満たしているあるいは満たすことができる結果となった。C群においては7割以上が運転時の見え方に不自由を感じ、見え方認識を0.7未満と認識、全員が運転しないと困る、10名が毎日運転をしていると回答した。
【結論】代わりに運転してくれる人がいても、「運転しないと困る」ことが運転を選択する理由となっている。視力矯正の必要性を理解してもらうためのアプローチを考えることが今後の課題であり、継続的な治療や定期受診実施へのサポートが良い目の状態を保ち、安全な運転への一助に繋がると考える。