日本視能訓練士協会誌
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一般講演
特発性黄斑円孔における眼球屈折データ補正の有無が円孔径、円孔底径計測に及ぼす影響
金永 圭祐藤原 篤之坂手 澪後藤 保人稲垣 明日香秋田 樹里白神 史雄
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2018 年 47 巻 p. 191-199

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抄録

【目的】特発性黄斑円孔において眼球屈折データ(屈折度数、角膜曲率半径、眼軸長)補正の有無が、円孔径、円孔底径を定量化する際に与える影響と因子について検討した。

【方法】対象は特発性黄斑円孔27例27眼(68.3 ± 5.1歳)とした。OCTはSwept source OCT であるDeep Range Imaging OCT-1 Atlantisを用いた。測定は眼球屈折データの補正前後の条件下にて、5 Line crossモードにて撮影を行った。画像の定量化は、補正前後における円孔径と円孔底径をキャリパーにて計測した。解析は補正の有無が画像の定量化に与える影響を検討するため、従属変数を円孔径・円孔底径の差分、独立変数を各眼球屈折データとして重回帰分析を行った。

【結果】眼球屈折データ補正なしで測定した平均円孔径は453.4 ± 234.1 μm、補正ありは462.6 ± 237.4 μmで有意差はなかった(p = 0.81)。平均円孔底径は補正なしで867.9 ± 372.2 μm、補正ありは862.5 ± 379.9 μmで有意差はなかった(p = 0.15)。重回帰分析の結果、円孔径、円孔底径ともに眼軸長と有意な関連を示した(円孔径:p < 0.05、円孔底径:p < 0.01)。

【結論】特発性黄斑円孔において円孔径、円孔底径を定量化する際に影響を与える因子は眼軸長であった。

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© 2018 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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