2020 年 49 巻 p. 39-44
【緒言】Spot Vision Screener(SVS)で異常が検出されなかったにもかかわらず手術を要した小児白内障の1例を報告する。
【症例】4歳1か月男児。3歳児健康診査で右眼視力不良を指摘された。オートレフラクトメータでは乱視度数がばらつき、信頼係数が低下したが、SVSは基準範囲内だった。右眼視力は0.2で後嚢下白内障と後部円錐水晶体を認めた。角膜、眼底に異常はなかった。高次収差が大きく屈折矯正が困難なため、白内障手術を行った。術後の眼鏡処方と健眼遮閉で視力は(1.0)に向上した。
【結論】3歳児健診で軽度白内障を発見するためにはSVSと従来の視力検査の併用が必要であることが再確認された。