日本視能訓練士協会誌
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一般講演
2兄弟(4症例)に発症した急性内斜視に関する考察
赤塚 美月中川 真紀臼井 千惠林 孝雄
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2020 年 49 巻 p. 45-49

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抄録

【目的】急性内斜視を相次いで発症した2兄弟を報告する。

【症例】兄弟1(一卵性双生児)兄:16歳発症。25⊿ET。1年前から近距離でスマートフォン(以下スマホ)使用。兄弟1弟:18歳発症(大学受験勉強中)。40⊿ET。兄弟2兄:15歳発症(高校受験勉強中)。60⊿ET。兄弟2弟:13歳発症。65⊿ET。1年前から近距離でスマホ使用。屈折異常は兄弟1正視、兄弟2近視。全例で遠・近見での眼位差なし。

【結論】兄弟1兄と兄弟2弟は近距離のスマホ使用が、兄弟1弟と兄弟2兄は受験勉強(近業)が急性内斜視の発症誘因となった可能性があり、共通する遺伝要素を持つ兄弟でも発症に環境要因が影響することが示唆された。

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© 2020 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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