日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
一般講演
低加入度数分節眼内レンズ挿入眼における距離別裸眼視力の検討
佐々木 由佳仲村 永江宮田 律子御田村 睦馬服 つかさ河本 絢香岡垣 あき藤定 恵美山田 晴彦
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 49 巻 p. 97-103

詳細
抄録

【目的】低加入度数分節眼内レンズ(レンティスコンフォート®)挿入眼に対し、両眼および単眼の距離別裸眼視力を測定しその視力特性について検討した。また単焦点眼内レンズ(以下IOL)挿入眼と多焦点IOL挿入眼との臨床成績を比較し有用性について検討した。

【対象及び方法】対象は2016年3月から2019年8月まで関西医科大学附属病院にて白内障手術を施行しレンティスコンフォート®を挿入した症例(LC群)14名20眼、単焦点IOLを挿入した症例(単焦点IOL群)77名99眼、ZMA00(AMO)を挿入した症例(多焦点IOL群)7名12眼。術後4.00m~0.32mまでの12段階の距離別裸眼視力(logMAR)を測定した。単眼視力は上記3群間で、両眼視力についてはLC群、単焦点IOL群の2群間で比較した。

【結果】単眼、両眼共にLC群は全距離において単焦点IOL群の視力を上回った。LC群と単焦点IOL群間では0.50m、0.40m、0.32mで有意にLC群の視力が良好であった。単眼視力においてLC群は1.25mで最高の視力となった。0.40mでは0.39logMARと新聞等が読める視力を得られた。3群間において多焦点IOL群が0.40m以下で有意に視力良好であった。

【結論】レンティスコンフォート®は単焦点IOLよりも近方まで明視域が拡大されることが示唆された。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本視能訓練士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top