日本視能訓練士協会誌
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部分調節性内斜視の検討
長谷部 佳世子大谷 みゆき大月 洋渡邊 好政
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1990 年 18 巻 p. 147-151

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抄録

部分調節性内斜視は遠視と内斜視が合併しているために,いろいろな要素が混在していると考えられる.そこで我々は,部分調節性内斜視30例を対象に屈折度及び下斜筋過動,交代性上斜位,弱視,不同視,網膜対応の各要素について完全調節性内斜視21例と比較した.その結果,1.完全調節性内斜視では部分調節性内斜視と比較して初回屈折度は有意に強く(p<.05),屈折度の経年変化にも有意差が認められた(p<.05).2.部分調節性内斜視では,下斜筋過動のあるものが多い傾向がみられ,また対応異常を示すものが有意に多かった(p<.01).3.部分調節性内斜視で周辺融像を獲得できないものには下斜筋過動を合併するものが多く,眼鏡装用下の斜視角が大きい傾向が認められた.以上のことより部分調節性内斜視の経過観察にあたっては,屈折度と運動面の異常,特に下斜筋過動に注意すべきであると思われる.

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