抄録
石油酵母脂質の組成を検討するとともに, 本脂質を白ネズミに与えて栄養価の程度をみた。
1) エーテル抽出した総脂質の酸価が, 二社の製品とも, 38, 31ときわめて高い値を示した。
2) 石油酵母 (Candida属) 脂質は, リン脂質が75%と大半を占めた。脂肪酸は, トリグリセリド, リン脂質区分とも, C17 : 1酸を主とした。
3) 石油酵母脂質のリン脂質区分を白ネズミに与えたところ, ほぼ対照として用いた大豆油と差がなかったが, トリグリセリド給与により, いくぶん, 肝臓が肥大し, 消化率は減少した。
4) 両区分とも臓器中に占める奇数酸の割合は減少した。