油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
界面活性剤-油-水系及び界面活性剤-油-水-長鎖アルコール系における安定エマルション領域
次田 章西島 靖佐々木 恒孝
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1980 年 29 巻 4 号 p. 227-234

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抄録

非イオン界面活性剤-油-水三成分系の状態図を調べ, 安定かつ乳白度大なるエマルション領域 (E1領域) をその状態図上で求めた。その結果, E1領域は粘ちゅう等方性相と油相からなる二相共存領域内にのみ存在すること, 及びこの領域を得るためには少なくとも10%の界面活性剤が必要であることがわかった。
次いで, この三成分にセトステアリルアルコールを加えた四成分系について調べた。セトステアリルアルコールの添加により, 乳白度大なるエマルションの新たな安定領域 (E2領域) がE1領域のほかに生成した。このE2領域の出現は, 安定かつ乳白度大なるエマルションを得るための最少界面活性剤濃度を約2%まで減少させた。同様に混合アルコールである化粧品グレードのベヘニルアルコールについても同じような効果が見られた。しかし炭素数12から16の各アルコールはE2領域を生成させる能力に欠けていた。また炭素数18と20のアルコールはE2領域を生成させたが, いずれも界面活性剤濃度5%以上の領域に限定されていた。

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