1982 年 31 巻 4 号 p. 235-237
テトラカルボニルヒドリド鉄酸塩は, 精油成分のカルボニル基に共役したα, β炭素-炭素二重結合の立体及び位置選択的還元剤として有効であることがわかった。とくに (+) -及び (-) -カルボンや, (+) -及び (-) -カルボタナセトンは高立体特異的にそれぞれ対応する (-) -及び (+) -ジヒドロカルボンや, (-) -及び (+) -カルボメントンに変換された。しかし, α, β不飽和アルデヒドは対応する生成物を与えなかった。反応の機構についても若干の検討を加えた。