油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
多不飽和脂肪酸メチルエステルの均一系選択水素添加
西口 毅福住 一雄木村 文彦
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 32 巻 12 号 p. 726-730

詳細
抄録

リノール酸メチルの均一系水素化をRuCl2 (PPh3) 3, RuH2 (PPh3) 4, RhCl (PPh3) 3, RhH (PPh3) 4, [RhCl (シクロオクテン) 2] 2を触媒とした系で研究した。RuCl2 (PPh3) 3を触媒とした系は, 穏和な条件下でcis-モノエンへの高い選択性を示した。RhCl (PPh3) 3を触媒とした系でもトランス二重結合の生成はわずかであったが, モノエンへの選択性は少し低かった。リノール酸メチルの水素化の反応機構を推定するため, trans-9, trans-12-オクタジエン酸メチル, cis-trans及びtrans-trans共役オクタジエン酸メチル, オレイン酸メチル, エライジン酸メチルの水素化も検討された。RuCl2 (PPh3) 3を触媒とする系においては, リノール酸メチルはまず共役化し, 続いてその共役ジエンが1, 4-水素付加によりcis-モノエンへ還元される, というのが主な反応経路であろうと推定される。一方, RhCl (PPh3) 3を触媒とする系においては, リノール酸メチルは主として, 異性化反応を伴わない1, 2-水素付加により還元されるものと推定される。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top