油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
界面活性剤 (D) 相乳化法における多価アルコール種類の影響
鷺谷 広道平井 義和鍋田 一男永井 昌義
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1986 年 35 巻 2 号 p. 102-107

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抄録

界面活性剤 (D) 相乳化法によって, 細かく均一なoil-in-waterエマルションを作製した。本乳化法を行うにあたって, 多価アルコールは不可欠の成分であった。多価アルコールの役割を理解するため, 界面活性剤/油/水/多価アルコール系の溶存状態をオレイルポリオキシエチレン=エーテル/流動パラフィン/多価アルコール水溶液よりなる相平衡図により検討した。1, 3-ブタンジオール, 1, 4-ブタンジオール, 1, 2-プロパンジオールのようなアルカンジオールは油の界面活性剤相中への可溶化量と, 界面活性剤と多価アルコール水溶液の相互溶解度を増加させた。一方, グリセリン, ポリグリセリン500, ポリエチレングリコール400,600, D-ソルビトール等の多価アルコールの添加はアルカンジオールと反対の傾向を示した。
アルカンジオールは他の多価アルコールよりより細かいoil-in-waterエマルションを与えることを示した。またアルカンジオール以外の多価アルコールを使う場合は, より親水性の界面活性剤が本乳化法に有効であった。

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