6-ナイロンのぬれを毛管上昇法と流動電位法でpHの関数として検討した。界面活性剤不在系では, 接触角はナイロンの等電点付近で最大値を示した。等電点で接触角が最大となるのは, 空気-液体-ナイロンの境界における力のつり合いで説明できる。界面活性剤が存在するときには, 界面活性剤イオンの電荷がナイロン表面の電荷と同符号であっても, ナイロン表面への界面活性剤イオンの特異吸着が起こり, ナイロン表面の性質が変化するため, 接触角が減少した。接触角の減少の程度は, ナイロン表面への界面活性剤の吸着自由エネルギーと密接に関係し, ナイロンの等電点ではカチオン界面活性剤のほうがアニオン界面活性剤よりその程度は大きいことがわかった。