1987 年 36 巻 9 号 p. 643-649
Candida cylindraceaリパーゼによるトリ-n-ブチリン (1) と1-オクタノール (2) から酪酸オクチル (3) を生成するエステル交換反応を種々の溶媒中, (1) 0.75M, (2) 0.67M, 30℃で検討した。速度は水の含量に対して極大を有し, 速度が極大の時の水分量, (H2O) op, は水に難溶性の溶媒中では酵素濃度が高い程大きい値を示したが, 水溶性の溶媒中では (H2O) opの値は酵素濃度に無関係に一定であった。 (H2O) op存在下での溶媒効果の検討から, このエステル交換は溶媒の極性以外に, 溶媒の構造にも影響されることが分かった。