抄録
アブラヤシの葉,パーム原油,ファイバー及び空果房の糖脂質を同定定量した。糖脂質の同定には,主にTLCのRf値と1-ナフトールや過塩素酸による呈色反応を利用した。定量はデンシトメータで行った。アブラヤシの葉の主な糖脂質はアシルステリルグリコシド,モノガラクトシルジグリセリド,ステリルグリコシド(SG),セレブロシド,ジガラクトシルジグリセリド及びスルホキノボシルジグリセリド(SQDG)であった。一方,パーム原油には,SGとSQDGは存在せず,またファイバーと空果房にはSQDGが存在しなかった。
アブラヤシの葉とパーム原油の各糖脂質の脂肪酸組成についても検討した。飽和脂肪酸ではいずれの糖脂質もパルミチン酸が主であった。不飽和脂肪酸ではアブラヤシの葉ではリノレン酸が多いのに比べ,パーム原油ではオレイン酸が多い点に特徴があった。