1989 年 38 巻 11 号 p. 923-928
TMS化をしないスフィンゴ塩基のトレオ体とエリトロ体を高感度で順相HPLC-UVで定量する方法を確立するため, ラベル化 (芳香化) 剤として各種の置換基を持つN-スクシンイミジルベンゾエート (2) を用い, 合成したCn-ジヒドロスフィンゴシン (1) を標準サンプルとして検討した。 (2) による (1) のラベル化はアセトニトリル中で両者を還流することにより容易に起こり, 254nmに吸収を持つN-アリールカルボニル化合物 (3) が定量的に得られた。 (1) のエリトロ体とトレオ体は (3) の形で順相HPLCで分離でき, そのクロマトグラムから求めた (1) のエリトロ体の含量は (2) の置換基に無関係に一定であるとともに, (3) のO, O-di-TMS誘導体を用いたGLC分析の結果と良好な一致を示した。