油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
γ-リノレン酸含有糸状菌油給与ラットにおける組織脂質中のアラキドン酸含量の増加
中原 東郎横地 俊弘神坂 泰八木 久彰山岡 正和鈴木 修佐藤 正明岡崎 さつき大島 宣雄
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1991 年 40 巻 12 号 p. 1080-1087

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抄録

脂質蓄積性糸状菌 (Mortierella ramammiana var.anglispora IFO 8187) 由来のγ-リノレン酸 (GLA) 含有油のラットへの経口投与実験を行い, 血しょう, 肝臓, 赤血球膜等の脂質の脂肪酸組成に及ぼすGLA含量の影響, 及びパーム油, オリブ油, サフラワー油等との比較を行った。糸状菌油給与ラットは対照油と同程度の成長を示すと共に, 組織脂質のアラキドン酸含量の増加を伴った。対照油として同程度 (n-6) 系脂肪酸を含むものとの比較により, GLAがΔ6-不飽和化反応を促進し, さらにサフラワー油との比較により, 高濃度リノール酸給与は逆に, Δ6-不飽和化反応を阻害すると考えられた。一方飼料中のGLA含量の増加 (10%以上) に伴い, 組織脂質のアラキドン酸含量の減少が認められた。

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