油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
Euglena gracilisの細胞内及び各脂質クラスへのDHA取り込みに及ぼす定常期におけるpHシフトの影響
林 雅弘小松 玲子北岡 正三郎
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 44 巻 9 号 p. 640-646

詳細
抄録

E. gracilis の培養中にDHAを培地に添加し, 細胞内及び各脂質クラスへの取り込みとpHの影響について検討した。DHA取り込みの際のpHが6.5~7.5で細胞内のDHA含量は最も増加し, pH2.5の場合の約2.5倍となった。また, pH8.5においてはTGが減少し, 遊離脂肪酸の増加が認められた。総脂質中のDHA含有率はpH 4.5~7.5の範囲で70%前後の高い値を示したが, pH2.5~3.5あるいは8.5で減少した。細胞内のDHAは主としてTGに取り込まれており, その他に極性脂質, およびワックスエステルのアシル基にも取り込まれていたがワックスエステルの脂肪アルコール側にはわずかに検出されたのみであった。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top