45 巻 (1996) 11 号 p. 1255-1259
ホスファチジルコリン (PC), ホスファチジルエタノールアミン (PE), ホスファチジルイノシトール (PI), ホスファチジン酸 (PA) から構成される大豆リン脂質に対するBacillus sp.由来のホスホリパーゼCの加水分解性を種々の条件下で検討した。
ジエチルエーテルとリン酸緩衝液から成る2層の反応系ではPCが最も加水分解され易く, 続いてPE>PI> PAの順であり, 水系ではPIが優先的に加水分解され, 続いてPC>PE>PAの順であった。
水系において, PCとPEの加水分解はトリス-塩酸緩衝液よりもリン酸緩衝液中で起こりやすかったが, PI の加水分解では2種の緩衝液間の差が小さかった。PAは最も加水分解され難い基質であった。Bacillus sp.由来のホスホリパーゼCを用いたジエチルエーテル-リン酸緩衝液の2層系加水分解反応はリン脂質混合物からPIを濃縮する簡便・迅速な方法として利用できるものと考えられた。