日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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リグナン類の機能性
特にゴマリグナンを中心に
大澤 俊彦
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1999 年 48 巻 10 号 p. 1041-1048,1198

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抄録

リグナン類は, 広く植物界に存在し, 様々な生理活性を持つ化合物である。油糧種子中では, 特にゴマ種子中に存在するユニークなゴマリグナン類が知られている。主要なリグナン類として, セサミン, セサモリンが知られていたが, ほとんどそれらの生理機能は明らかではなかった。そこで, セサミン, セサモリンをはじめ, セサミノールやピノレジノールなど脂溶性リグナン類が生体内で酸化ストレス予防効果を示すと共に, 多くの機能性を有していることが明らかとなった。特に, セサミノールは強力にLDLの酸化を抑制し, ゴマ油の製造工程のみならず脱脂ゴマ粕からも摂取後, 腸内細菌によりセサミノール配糖体から二次的に生成することが明らかにされた。さらに, 個体レベルにおける動脈硬化予防作用の検討のため, 高コレステロール負荷ウサギと共に家族性高脂血症のモデルであるワタナベラビット (WHHL) を対象に実験を行ったところ, 有効に抑制し, 今後の研究の進展に期待が待たれる。

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