日本油化学会誌
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ビタミンEの酸化生成物
山内 亮
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1999 年 48 巻 2 号 p. 95-102,148

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抄録

ビタミンE (α-トコフェロール) の抗酸化作用機構をこれまでの酸化生成物の研究から論じた。α-トコフェロールと脂質ペルオキシルラジカルの酸化生成物として, α-トコフェロールの8a位炭素にペルオキシルラジカルが結合した化合物が様々な脂質過酸化反応系から分離されている。これは, α-トコフェロール1分子が2分子のペルオキシルラジカルを捕捉することを立証するものである。また, α-トコフェロールの酸化生成物は酸素分圧あるいはトコフェロール濃度によって大きく影響を受け, 低酸素分圧下ではα-トコフェロールの6位水酸基に脂質ラジカルが付加した化合物, 高α-トコフェロール濃度では2量体や3量体が生成することが明らかにされている。一方, 他のビタミンE同族体 (γ-あるいはδ-トコフェロール) では, ペルオキシルラジカルと付加体を形成するよりも抗酸化能を維持した構造の2量体の生成が優先され, 抗酸化作用が長期にわたって持続するものと推定された。

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