日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
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刺激応答型高分子界面活性剤
-自己組織化する両親媒性ブロック共重合体-
青島 貞人杉原 伸治
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2000 年 49 巻 10 号 p. 1061-1069,1295

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抄録
最近, 親水性及び疎水性セグメントを有する両親媒性ブロック共重合体, いわゆる高分子界面活性剤が, 外部刺激に応答して自己組織化する系が注目されている。特に, 親・疎水性バランスのコントロールや条件の変化により, 高分子ミセルなどのナノ組織体の形成や, その形状の変化, 物理ゲル化などが起こることがわかってきた。本報前半部では, それらの最近の傾向やトピックスをまとめた。一方, 著者らはビニルエーテル類のリビング重合により高分子の分子設計及び精密合成を行い, 新しい刺激応答性両親媒性高分子の合成を行った。その結果, 従来とは異なるタイプの感熱応答性セグメントを見いだすことができ, さらに, 親水性, 疎水性セグメント等と組合せたブロック共重合体からは, 様々な温度範囲や異なるパターンで物理ゲルが生成できた。また他の刺激として, 特定の有機化合物の添加やpH変化によっても同様な自己組織化が起こることも明らかになった。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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