2018 年 11 巻 1 号 p. 67-71
少子高齢化に伴う労働人口減少問題や医療費高騰問題を抱える我が国では,労働者の健康を護ることが今後ますます重要となる.その視点から最近は,“働き方改革”や“健康経営”などがメディアで取り上げられる機会が増えている.その一方で,栄養バランスの良い食習慣や運動の習慣化が必要であることを理解していても,現代に生きる多くの労働者,特に働き盛り世代の忙しい労働者にとって,その実践は容易ではなく,課題も多い.このような状況を背景に,我々は忙しい労働者向けに考案した運動・食事介入プログラムの効果を,メタボリックシンドロームに該当する労働者を対象に検証する研究を進めている.本稿では,その背景や成果・課題を概説する.