2022 年 42 巻 3 号 p. 139-145
東京2020大会は,新型コロナウイルス感染症の真っただ中での開催となり,多くの感染対策を講じた.網羅的なスクリーニング検査を毎日実施し,検査総数は100万件にも及んだ.ポリクリニックでは標準的感染対策のほか,入口ではトリアージブースを設置し有症状者を発熱外来に誘導し,今大会初の予約システムの導入により,ポリクリ内の混雑を回避する感染対策を講じた.またアスリートファーストとして,コーチ等Team Officialは一部診療を制限した.また陽性患者は選手村外施設への早急な隔離などを講じ,結果として大会中の選手の感染者はオリンピック28名,パラリンピック13名にとどまり,一定の感染制御を達成した.