作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
研究論文
脳卒中片麻痺者が生活のなかで麻痺手の使用・不使用にいたる過程
北村 新宮本 礼子
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キーワード: 質的研究, 脳卒中, 上肢, 片麻痺
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2019 年 38 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

本研究では,脳卒中片麻痺者12名を対象に,彼らが生活のなかで麻痺手の使用・不使用にいたる主観的体験をインタビュー調査により明らかにした.分析は,戈木版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.結果,脳卒中片麻痺者は【麻痺を呈した身体での生活場面】のなかで,【麻痺手を使う必要性の実感】,【健側手で生活ができることの実感】,【意識的な麻痺手使用の試み】,【意識する他者の視線】という経験を通して,【麻痺手を使用する手段・場面の選択】と【麻痺手を使用しない手段・場面の選択】に帰結することがわかった.麻痺手使用を支援するうえで,対象者が行う作業の特性や,個人的意味づけを考慮した関わりが重要であると考える.

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© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
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