急性期脳神経疾患に生じる過活動型せん妄の一要因として,オムツ内への排泄といった排泄方法の変更がある.今回,過活動型せん妄を伴う急性期脳神経疾患患者26名に対し,トイレへの排泄誘導を行い,その前後でのせん妄の有無と,せん妄の持続期間との関連性を調査した.その結果,排泄誘導後に,せん妄は有意に改善し即時効果を認めた.しかし,その後,せん妄は再燃し改善は一時的であった.また早期に排泄誘導を行うと,せん妄の持続期間は,短くなる傾向にあった.排泄行為への介入は,過活動型せん妄の改善に寄与する可能性が示唆された.