作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
研究論文
過活動型せん妄を伴う急性期脳神経疾患患者に対する排泄行為への介入効果
坂下 竜也原 麻理子原口 健三
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 38 巻 5 号 p. 524-531

詳細
抄録

急性期脳神経疾患に生じる過活動型せん妄の一要因として,オムツ内への排泄といった排泄方法の変更がある.今回,過活動型せん妄を伴う急性期脳神経疾患患者26名に対し,トイレへの排泄誘導を行い,その前後でのせん妄の有無と,せん妄の持続期間との関連性を調査した.その結果,排泄誘導後に,せん妄は有意に改善し即時効果を認めた.しかし,その後,せん妄は再燃し改善は一時的であった.また早期に排泄誘導を行うと,せん妄の持続期間は,短くなる傾向にあった.排泄行為への介入は,過活動型せん妄の改善に寄与する可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top