作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
運動機能の改善が見込まれた脳腫瘍症例に対する作業療法の経験
齊藤 秀和太田 久晶佐々木 雄一石合 純夫
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2021 年 40 巻 3 号 p. 385-390

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抄録

覚醒下手術で右補足運動野と運動前野に広がる腫瘍が摘出された症例を担当した.術中評価で左環小指の随意性低下を認め,術後には,これらに加えて,つまみ動作を主体とした巧緻運動の能力低下を認めた.術後の頭部MRI所見から摘出部位周辺に浮腫を認めたが,錐体路の損傷はなく,浮腫の改善と腫瘍摘出後の機能代償作用により手指の運動機能が改善する可能性が推察された.左手指の巧緻運動に対する訓練を実施したところ,術後早期から左手のつまみ動作の著明な機能改善が認められ,その後も手指の巧緻運動に改善を認めた.術中・術後の運動機能の評価結果と,先行研究に基づいた作業療法が,予測された良好な機能改善をもたらした.

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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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