作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
親子に対して道具を活用することで意味のある作業を実現した在宅作業療法
西村 彬斎藤 文彦
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2021 年 40 巻 5 号 p. 641-648

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抄録

母子にとって道具を作成・活用することで意味のある作業が実現できた在宅作業療法の詳細を述べることを目的とする.症例は18トリソミー症候群の乳児である.身体所見では,手指の筋緊張亢進による手指間の圧痕や,寝返り動作が困難なため除圧できずに左臀部の発汗が確認された.症例の全身状態は変化しやすく,母親はかかわりに悩んでいた.そこで,母親とハンドクッションやマットなどの道具を作成して,それらの道具を活用することで抱っこや徒手療法を行い母子間のかかわりを促した.結果,症例の圧痕や発汗は確認されなくなり,母親は症例を安心して抱けた.道具を作成・活用する意味のある作業の実現により,母子のアタッチメントを促進した.

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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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