本研究では,作業療法士の専門性を活かした学校支援を模索する基礎的な知見として,通常学級在籍の中学生の学校不適応体験の背景を深く理解するためにインタビューによる質的研究を行った.すべての対象者に共通性を認めた理論記述は感覚情報処理の特性に関わる内容であった.「感覚の過敏さをもつ中学生にとって教室の環境は落ち着かない」,「感覚刺激への易反応性は学習を阻害する要因となり得る」,「感覚刺激の感じやすさは学校適応や学習を阻害する要因となり得る」,「感覚刺激に対する鋭敏な感じ方は学習を阻害する要因となり得る」などの理論記述が感覚情報処理の特性を示すものとして得られた.