日常生活において麻痺手の使用頻度が乏しい回復期脳梗塞患者に対し,3Dプリンタで作製した筆記自助具を麻痺手機能の改善状況に合わせ段階的に変更を加え提供した.同患者へは,日記をつける際に自助具を用いた麻痺手で行うことを促した.結果,上肢機能評価において臨床上意義のある最小変化量を超えた改善が得られた.また,福祉用具満足度評価では,症例の上肢機能改善に応じて,修正を加えた3Dプリンタの自助具に対して高い満足度が示された.以上の結果は,上肢機能の変化に応じて自助具の形状を変更する方略が上肢機能訓練において有用な手段であることを示唆した.