作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
心理的要因による脳卒中後麻痺側上肢使用の低下に対する定量的上肢活動量評価を用いた行動変容介入の効果
─症例報告─
南川 勇二西 祐樹生野 公貴森岡 周
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2024 年 43 巻 6 号 p. 789-796

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抄録

実生活での麻痺側上肢使用に対する自己効力感が低下し, 上肢活動量の低下を認めた右片麻痺患者に対して麻痺側上肢使用を促した. しかし, 他者への目線を気にする神経質な性格から, 病院環境での使用に至らなかったため, 自宅環境での麻痺側上肢使用を促した. 入院中の作業療法は週2日, 退院後は週1日の訪問リハビリテーションを利用し, 継続的な麻痺側上肢活動の促しを行った. 使用状況は3軸加速度計を用いて評価し, 本人へフィードバックをした. 結果, 自己効力感が向上し, 上肢機能および上肢活動量の長期的な改善を認めた. 入院中から自宅環境での行動変容を促し長期的に支援することは, 上肢活動量の向上に寄与する可能性が示唆された.

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© 2024 一般社団法人日本作業療法士協会
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