本報告の目的は,高次脳機能障害者の復職支援において,医療機関所属の作業療法士が両立支援制度を活用する有用性を示すことである.両立支援制度を導入した復職支援7事例を対象に,質的帰納的分類法を用いて分析を行った.分析結果より,復職に際して職場は「職務遂行に必要な基本的能力」「具体的な業務遂行能力」を対象者に求めていた.また作業療法士は他職種とともに「就業上生じる課題と対応方法の提示」「復職可能の判断」「復職フォローアップ体制」を指導した.両立支援制度は,アウトリーチ支援が困難な医療機関所属の作業療法士にとって,就業指導上の要点を明確にし,作業療法士の視点を反映させた指導を行う点で有用である.