2026 年 45 巻 4 号 p. 507-513
脳卒中後に注意障害を呈した事例に対し,視線追跡機能を搭載したバーチャルリアリティ(VR)評価システムを用いた自動車運転再開支援の可能性を検討した.対象は注意障害を有する60歳代男性であり,VRにより視線行動とハンドル・アクセル・ブレーキ操作を可視化し,フィードバックを通じて内省を促す介入を行った.初回評価では視線の偏重や制動遅延が認められたが,作業療法介入により注意機能の改善,視線分布の広範化および操作安定性の向上が得られた.実車評価および,運転免許センターでの臨時適性検査を経て運転再開が認められた.VR評価は,運転再開の可否を多面的に評価する有用な手段となる可能性が示された.