都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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フロー需要に基づく施設配置モデルと需要構成が施設配置に与える影響
鈴木 勉
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ジャーナル オープンアクセス

2002 年 37 巻 p. 115-120

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抄録

本研究は,近隣の需要を基本とする従来型モデルに対して,フローを需要としたモデルを取り上げ,従来型モデルの代表であるp-メディアン問題と対照して最適配置の基本的特性を把握するとともに,通勤フローをベース需要とする最適施設配置を考察し,通勤流動パターンの差違や情報化の進展による近隣の施設需要の相対的増加が施設配置に及ぼす影響を明らかにした.その結果,フロー需要に基づく最適施設配置は,近隣需要に基づく最適施設配置と一般に異なり,発地側と着地側の近隣需要の最適配置の中間的配置となること,居住地と就業地の空間的相関が強まるほど,中心部のフローが減少することにより施設配置はやや分散すること,近隣需要とフロー需要の混合問題を考えたとき,フロー需要の構成比が大きいほど,施設配置はミニサム型配置よりも中心に向かって集中することなどが明らかとなった.

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© 2002 公益社団法人 日本都市計画学会
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