抄録
公営住宅では、自治会による共同管理が行われてきたが、最近の高齢居住者の増加に伴い、自治会活動に参加できない世帯が増加してきている。本研究の目的は、これまで自治会の中心的活動であった清掃活動に対する居住者の意識を明らかにした上で、相互扶助活動への関心と参加意識を把握することである。 分析の結果、自治会活動については、「あまり参加していない」「全く参加していない」と答えた世帯が約半数を占め、参加状況は必ずしも良いとは言えない。 自治会活動の中心となっている清掃活動については、残りの約半数は「民間業者への委託」や「市の責任で行う」ことを希望していた。 相互扶助を目的としたボランティア組織の育成については、8割以上の世帯が「必要がある」と回答しており、非常に前向きな考えを持っていることが明らかになった。 また、居住者のボランティア活動への参加意識も非常に高く、特に若い世帯では安否確認に参加しても良いと回答した世帯が8割を超えていた。