都市計画論文集
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CVMを用いた文化資本の定量的評価の試み
世界遺産富山県五箇山合掌造り集落の事例
垣内 恵美子西村 幸夫
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 39.2 巻 p. 15-24

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抄録

富山県五箇山合掌造り集落(世界遺産)を事例として取り上げ、その文化的景観の保護に対する観光客及び全国民の支払い意志額を CVM(2段階 2項選択方式,ランダム効用モデルによる分析)を用いて計測した。この結果、文化的景観は、遺贈価値や存在価値を中心とし、極めて大きな社会的便益を有すること、その便益は属性(学歴、居住地、性別等)に関わらず全国的な広がりを有しており、文化資本としての景観に投資することは広範な人々の間でコンセンサスが得られるであろうこと、また観光客は便益の受益者であるとともに、潜在的な寄付者及びボランティアになりうること、等が確認できた。これらの結果に基づき、景観保護のための可能な制度設計を試みた。

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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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