2004 年 39.3 巻 p. 313-318
都市計画提案制度という、土地所有者等が一定の要件のもとに、都市計画を提案できる仕組みが創設された。この論文の目的は、制度創設初動期にある都市計画提案制度が、今後、効果的に運用・活用されるための知見を得ることにある。そのために、まず既存制度との比較により、都市計画提案制度の制度的特徴を明らかにしている。次に、先進自治体の都市計画提案制度の運用方法及び同制度の活用事例を整理・分析し、参考点、今後の課題を抽出している。その結果、都市計画審議会開催の事前に、専門家を交えて、提案内容について分析・検討することの有効性や、条例により、積極的に提案の間口を広げることの有効性などが明らかとなった。