都市計画論文集
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主要雑誌の言説からみた旧都市計画法期土地区画整理事業の推進課題とその対応策
大沢 昌玄岸井 隆幸
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 39.3 巻 p. 883-888

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抄録

日本の市街地形成に土地区画整理事業が与えた影響は計り知れない。しかし近年、社会経済状況の変化により土地区画整理事業の事業環境が悪化している。そこで本研究では、土地区画整理事業の成立性及びそれを左右する事業推進上の課題を体系的に検討するために、旧都市計画法期に発行された土地区画整理事業に関する主要な全国雑誌を取り上げ、過去において土地区画整理事業推進上の課題についてどのような言説が展開されていたか、その流れと内容の体系的な整理を行う。また、その課題がどのような意味を有し、事業にどのような影響を与えていたのか、その解決方策としてどのような提案がなされていたか考察する。その結果、経済恐慌、戦争という社会経済状況の変化の影響を受け、事業推進課題も時代によって変化していることが確認された。また土地区画整理事業の推進を阻害する要因として取り上げられている言説は、「地域的課題」「資金的課題」「土地処分課題」「事業構造課題」「事業実施機関課題」の5つに分類された。その課題に対する問題意識は高く、課題を解決し土地区画整理事業を推進させるために解決方策が活発に議論され実施されていたことが確認された。

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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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