2005 年 40.3 巻 p. 13-18
中心市街地の整備改善に関する事業と商業等の活性化に関する事業のハード・ソフトにわたる施策が総合的かつ一体的に推進されているが、自治体の多くで、中心市街地活性化基本計画が策定されたものの、計画の実行については、様々な事情により進捗が思わしくない状況にある。特にハード整備は行政主導で実行されるのに対し、継続したソフト対策は、商店街や市民が主導となり、その実施には組織レベルでの合意形成が必要であることもその一因となっている。そこで本研究では、商店街主導で実施している中心市街地活性化のイベントについて、その展開過程とその要因を明らかとし、この過程で設置されたファサードが観光客に与える影響について定量的に分析を行う。また、被験者及び評価者の負担の少ない評価方法を検討し、評価を結論として示すのではなく、一般的にわかりやすく商店街の課題、改善すべき点等について議論するとともに、改善された策(案)を実践するというロールプレイング方式での活性化の合意形成についての試みについて調査する。この結果、効果的な評価方法と合意形成手法について明らかとなった。