2005 年 40.3 巻 p. 199-204
過疎化、少子高齢化が進む多自然居住地域では、都市からの移住者も含めた地域づくりの担い手をいかに創出していくかが課題であり、多自然居住者に対する地域づくりへの意識啓発の方法が求められる。本研究では、GPS搭載携帯電話と Web-GISを連動させた、地域づくりに関わる意識啓発のための新たなシステムを構築し、進修小学校での実践をもとに、被験者の意識変化についてイメージマップを用いて検証を行った。結果、お年寄りと児童の調査データが Web-GIS上に瞬時に可視化され、その違いを一目で認識できることで、これらのシステムは児童の主体的な気づきの促進に貢献することが確認できたとともに、わずか2日の調査活動で 172地点の地域情報が獲得されたことから、多くの地域資源を短期間で発掘するツールとしても有効であることがわかった。