本研究は、東京緑地計画作成の理論的背景を明らかにすることを目的とした。東京緑地計画協議会は 1924年のアムステルダム国際都市計画会議でのグリーンベルトに関する決議を契機として発足したと考えられている。しかしながら実際には、 1932年の協議会発足当時、都市の拡大を防止するための環状緑地帯に対する認識が薄かったこと、協議会が最初に作成した景園地計画はパークシステムと地方計画、森林公園の考え方に影響を受けていたこと、当時「緑地」という言葉は、都市化をせき止める非建築地域としての意味ではなく、休養の場、行楽の場としての自然の地、という意味で使われていたことを明らかにした。