2005 年 40.3 巻 p. 67-72
東南アジアを含む開発途上国では地方分権化や市民社会への志向を背景として地方政府の政策決定過程への住民の参加はますます重要性を増しており、このような参加を通して住民と行政の双方がエンパワーメントされ、住民と行政の新しい関係性が構築されることが望ましいと思われる。インドネシアにおいても、特に地方政府に大幅な権限の移譲がなされた 1999年の地方分権化 2法に基づく地方分権化以降、同様の重要性が指摘されるところである。このような現状をふまえ、本研究はインドネシア・ジョグジャカルタ特別州における事例研究を通して、インドネシアの年次開発計画策定過程における参加に対する地方政府の取り組みを検討し、住民と行政の新しい関係性が構築されるプロセスを考察するための礎とするものである。本研究を通して、年次開発計画策定家庭全体に関わる問題点、年次開発計画策定過程における住民の参加に関わる問題点及び参加の問題点に対応した県・市の取り組みを具体的に指摘された。