都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
宅地内の庭木や生垣によって形成される緑の景観の経済評価
専有空間のもつ公共性に対する地域共同管理の可能性に関する研究
林 尚貴川合 史朗浦山 益郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2005 年 40.3 巻 p. 841-846

詳細
抄録

本研究は、宅地内の庭木や生垣が連担することで、潤い豊かな緑の景観を日常的に享受している地域住民が、その緑の景観に対してどのような評価を行い、また、どの程度の経済価値を見出しているかについて探ろうとするものである。名古屋市の東部地域に位置する緑被率が異なる表山、滝ノ水、名東の各小学校区に居住する地域住民に対して住民意識調査を実施した。その結果、庭木や生垣などによって形成される緑の景観が地域の共有財産として地域住民から一定の評価が得られている表山小学校区について、仮想市場評価法を用いて緑景観に対する支払意思額を算出した。その結果、宅地内にある庭木や生垣で形成される緑の景観であっても、緑被率が高く一定の緑量が確保されていれば、地域の公共財として認識される可能性が高くなること、また、その公共財を保全するために、受益者たる地域住民が一定のコストを負担する可能性があるという結果が得られた。

著者関連情報
© 2005 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top