2007 年 42.2 巻 p. 101-110
本研究においては、金沢市の市町村MPを事例とし、その内容の表現について、言語学的な分析から、文章構造の特徴とその明確性について明らかにしている。文は意味役割とその自由度の組合せにより4種類にタイプ分類することができ、それらは明確性を有する明示タイプ、曖昧さを有する項明示タイプ及び抽象タイプ、文法の要件を満たしていないことによる曖昧さを有する文法不適格である。金沢市の市町村MPを対象として文のタイプ分類を行うと、曖昧さを有する項明示タイプ及び抽象タイプ、文法不適格である文の合計が市町村MP全体の9割を越えており、市町村MPの非常に多くの文が明確な記述を行っていないといえる。また、都市政策形成における市町村MPの多様な使われ方について分析を行ったところ、事業が進行中の箇所等でも曖昧な文章を用いて記述されており、経年的には、社会情勢の変化に応じて、曖昧な文を解釈しながら弾力的な運用を行っていた。