都市計画論文集
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利用店舗への愛着が地域愛着へ及ぼす影響とその規定因に関する研究
鈴木 春菜藤井 聡
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2007 年 42.3 巻 p. 13-18

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抄録
本研究では、人々が日常的に利用する店舗に対して持つ愛着に着目した.人々が普段消費行動を行う店舗は居住地に近いことが多く,店舗への愛着は居住地の物質的環境の評価とも考えられ,地域愛着に影響を与えるものと考えられる.地域愛着の存在は,まちづくりや防災計画・景観保全などに影響を与えることが示されており,店舗への愛着の影響とその規定因についての検討は,有益な知見となることと考えられる.このような店舗への愛着の規定因として,本研究では特に各店舗の立地や形態について着目し,日本の3つの地方都市で居住者を対象に質問紙調査を実施し,その影響について検証した.この結果,近くの店舗への愛着と地域への愛着が相関関係にあることを示した.さらに,店舗への愛着の規定因については,商店街や百貨店,小さな店舗といった店舗の形態や,店舗への来訪頻度,店舗の郊外立地が,直接,あるいは店舗での従業員とのコミュニケーションを通じて間接的に,店舗への愛着に影響を及ぼすことを示した.
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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